ソムリエ・ワインエキスパート資格試験は半年以上の期間、毎日コツコツと勉強を積み重ねていかなければなりません。ソムリエ資格とワインエキスパート資格に優劣の差はないですが、試験内容は少しだけ変わっています。
【ソムリエ】
- 一次試験(筆記)
- 二次試験(テイスティング&論述)
- 三次試験(サービス実技)
【ワインエキスパート】
- 一次試験(筆記)
- 二次試験(テイスティング)
ソムリエ試験にはサービス実技試験があり、2016年からは論述問題も追加されました。各試験の合格率と難易度についてお伝えしていきます。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の全体の合格率
以下に、過去の資格試験の合格率を示します。
全体合格率 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 平均 |
ソムリエ | 40% | 45% | 39% | 41% | 29% | 37% |
エキスパート | 33% | 36% | 41% | 40% | 38% | 38% |
2015年まではワインアドバイザーという資格がありましたが、2016年からはソムリエ資格に統合されたのでここでは表記していません。また、アドバイザーがソムリエに統合された為に2016年のソムリエ合格率は下がったと言われており、2017年以降は35%くらいが合格率の目安とされていくでしょう。
2016年からはソムリエ協会に大きな変革があり、試験内容や出題傾向も変化しました。ですので、2016年以降のデータが今後の試験の基準となるのでこのページでは2016年を主軸に考えていきます。
一次試験の合格率
2016年一次試験 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
ソムリエ | 5326人 | 1899人 | 36% |
エキスパート | 2798人 | 1270人 | 45% |
一次試験はソムリエ・ワインエキスパート資格ともに筆記試験となります。ここが最初で最大の難関であることはまず間違いありません。多くの受験者がここで涙を呑む結果になってしまいます。
出題数は受験年によってバラつきがありますが、近年は130問で定着しているようです。合格ラインとしての目安は70%の正答率で一次試験は合格できるとされています。しかしこれはあくまでも目安の話なので、70%以下でも合格する人もいれば70%以上で落第する人もいます。
ソムリエとワインエキスパートで問題が多少違いますが、気にするほどのことではありません。
二次試験の合格率
二次試験 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 |
ソムリエ | 89% | 90% | 84% | 87% | 75% |
エキスパート | 62% | 61% | 69% | 69% | 75% |
ソムリエ
ソムリエの二次試験はテイスティングと論述問題です。
テイスティング
試験内容としては出題されるワインをブラインドでテイスティングします。
『ワイン3種 + その他酒2種』のお酒が出題されます。ワイン3種は「赤、白、白」かもしれませんし「赤、赤、白」かもしれません。これは年によって変わります。
ワインに関しては生産地、生産年、使用品種を推測し、そのワインの味わい、外観、香りを評価する形式です。ここでよく「ぶどう品種当てっこゲーム」みたいに取られがちですが、二次試験での一番大切なのは味わい、外観、香りの正しい評価ができるかどうかです。
ぶどうの品種を当てるのも大切ですが、3つのワインのうち1つしか品種が当たっていない、もしくは1つも当たっていない人が合格することもあります。逆に、2つ以上当てたとしても味わい、外観、香りの評価が的外れな回答であれば落ちることは大いにあります。
その他酒に関しては、味わい、香りなどの評価をするのではなく、ただ単に何のお酒かを当てる問題です。日本酒、焼酎、ウイスキー、スピリッツ、リキュールなどが出題されます。
一見簡単そうに思われがちですが、そう甘くはありません。2017年に出題されたのは「オー・ドゥ・ヴィー・ド・キルシュ」と「ドランブイ」です。知らない人は応えられない問題なので、ここも難易度は高いと言えるでしょう。
論述問題
論述問題は2016年より追加されました。いわゆるワイン業界のトレンドやニュース、ワインに対する基礎知識を問われる問題です。以下に、2017年に出題された問題を示します。
- ○○○なワインに合う料理とは
- オレンジワインとは
- 2018年10月30日に施工されるワイン表示のルールについて
これらは教本や参考書だけではカバーできない問題なので、周りのサポートなどが必要になってくるでしょう。
ワインエキスパート
ワインエキスパートの二次試験は『ワイン4種+その他酒1種のテイスティング』です。こちらもソムリエ資格同様、生産地、生産年、使用品種を推測し、味わい、外観、香りの評価です。
ソムリエ試験と出題内容は異なりますが、こちらも同様に「ぶどう品種当て」に重きを置くのではなく、味わいの評価などが重要になってきます。
ワインエキスパートには論述問題はありません。
三次試験の合格率
三次試験はソムリエ資格のみの「サービス実技試験」です。2015年までは二次試験のテイスティング試験と同日に行われ、二次試験の一環とされていましたが2016年以降は独立して三次試験として扱われています。以下に2016年の合格率を示します。
20016年三次試験 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
ソムリエ | 1420人 | 1364人 | 96% |
合格率は96%と高いので気を抜きがちですが、実際に50人以上の受験者は失格になっています。
試験内容としては試験管の前でワインを抜栓し、グラスにサーヴするまでを審査されます。特に変わったことをする必要はありませんが、押さえておかなければならないポイントなどもあるので、練習を何回もする必要はあります。
まとめ
ソムリエ試験とワインエキスパート試験の合格率を以下にまとめます。
2016年 | 一次試験 | 二次試験 | 三次試験 | 全体 |
ソムリエ | 36% | 75% | 96% | 29% |
エキスパート | 45% | 75% | なし | 38% |
ソムリエ資格の全体の合格率は35%ぐらいに落ちつくと考えられます。
ソムリエ、ワインエキスパート試験の合格率は共に40%も満たない合格率です。この難関の試験をクリアしていくためには、早めの試験勉強の取り組みが必要です。
是非、皆さんもしっかりと計画を立てて試験に挑戦してください。