【第18回テキスト】その他ヨーロッパ2

スイス

主要ぶどう品種

【白ぶどう】

品種名 概要
シャスラー(Chasselas) =ファンダン(Fendant)、栽培面積2位
ミュラー・トゥルガウ
シャルドネ

 

【黒ぶどう】

品種名 概要
ピノ・ノワール ブラウブルグンダー、栽培面積
ガマレ(Gamaret) ガメイ×B13
ガラノワール(Garanoir) ガメイ×B28

 

スイスの主要ワイン地域

スイス・ロマンド(フランス語圏)、スイス・アルモン(ドイツ語圏)、スイス・イタリエンヌ(イタリア語圏)の3つに大別される。

 

【スイス・ロマンド(Suisse Romande)】

スイスワインの約80%を占める最大産地

▶ ヴァレー(Valais)州

スイス最大のワイン生産地。ぶどう畑の標高も高い。ピノ・ノワールとガメイを85%以上使うドール(Dole)や遅摘みのフレトリ(Fletrie)が名産。

 

▶ ヴォー(Vaud)州

シャスラが生産量の60%を占める、スイスで2番目の生産地。ローザンヌ市のラヴォー地区はぶどう畑の美しい景観とワイン造りの長い歴史が評価されて世界遺産に認定されている。

 

▶ ジュネーヴ(Geneve)州

シャスラはこの地方ではペルラン(Perlan)の愛称で親しまれている。

スイスで最初にAOCを導入した地区。

 

▶ ヌーシャテル(Neuchatel)州

ウイユ・ド・ペルドゥリ(Oeil de Perdrix)というピノ・ノワールから造られるロゼワイン発祥の地。

 

【スイス・アルモン(Suisse Allemonde)】

▶ アールガウ州、ベルン州(西地区)

▶ チューリッヒ州、トゥルガウ州(中央地区)

▶ グラウビュンデン州(東地区)

ブラウブルグンダーから造られるロゼワインのフェダーヴァイサー(Frderweisser)が名産。

 

【スイス・イタリエンヌ(Suisse Italienne)】

▶ ティチーノ(Ticino)

スイスの最南端に位置し、メルロが栽培面積の85%を占める。

 

ブルガリア

バルカン半島に位置し、ドナウ川黒海に接する。バルカン半島ではラキア(Rakiyia)という蒸留酒が生産されている。大陸性気候。

トラキア人がワイン造りを行ってきた。ワイン法はGDO、GCDOと存在したが、現在は新EUワイン法に基づきPDOとPGIに統一されている。主なぶどう品種は白ぶどうのディミャトレッド・ミスケット、黒ぶどうはガムザ(カダルカ)と高級品種マヴルッドが有名。

 

ルーマニア

 

ルーマニアでは90%のワインが国内で消費されている。大陸性気候。原産地呼称はDOCIGモルドヴァ地方が最大のワイン産地。

白ぶどうはフェテアスカ・アルヴァ(Feteasca Alba)が有名で、これは白い乙女を意味し、フェテアスカ・レガーラ(Feteasca Regala)高貴な乙女の意。黒ぶどうはフェテアスカ・ネアグラ(Feteasca Neagra)で、これは黒い乙女を意味する。

 

 

モルドバ

 

昼夜の寒暖差が激しい。チェルノゼムという腐葉土を含んだ黒土の土壌。2006年にブドウ・ワイン法が制定され原産地呼称はDOPとIGP。

主要ぶどうはフェテアスカ・アルバ(白い乙女)、フェテアスカ・レガーラ(高貴な乙女)、フェテアスカ・ネアグラ(黒い乙女)。

 

 

ウルグアイ

ウルグアイの正式名称はウルグアイ東方共和国であり、グアラニー語でウル(鳥)のY(川)を意味する。ウルグアイのワインは現在VCPVCの2つに分けられ、VCPのエチケット表示はヴィンテージ、品種共に85%ルール。主要ぶどう品種は白ブドウはユニ・ブランが多いが、ソーヴィニョンやシャルドネが高級品種。黒ぶどうはタンニンが由来のタナ(アリアゲ:Harriague)が生産量1位で、2位のモスカテル・アンブルゴ(Moscatel Hamburgo)はバルクワインに使用される。産地としてはカネロネス(Canelones)が最大で重要な産地。

 

 

スロヴェニア

イタリアのトリエステの東側に位置し、オーストリアとはアルプスを挟んで隣接。地中海性気候。単一ぶどう品種から造るワインが主流で、白ワインが多い。

赤ワインはアドリア海に面するプリモルスカ(Primorska)地域が有名。ポドラウイエ(Podravje)地域が最大の生産地で、ドイツ系品種が主。ポサウイエ地域ではツヴィチェック(Cvicek)というロゼワインが有名。

原産地呼称はPDOで、ヴルフンスコ・ヴィノZGP(Vrhunsko)が最上級、カコヴォストノ・ヴィノZGP(Kakovostno Vino)が上級ワインである。

 

  

クロアチア

アドリア海の最南端に位置し、地中海性気候。白ワインの生産量が多い。

白ぶどうはグラシェヴィナ(Grassevina)=ヴェルシュ・リースリングが面積最大。黒ぶどうはプラヴァッツ・マリから高級ワインが造られる。

スラヴォニア(Slavonia)地域がクロアチアで最大の生産地域。プレシヴィツァ(Plesivica)地域は黒ぶどうから造られるポルトギザッツ(Portuugizac)という新酒が有名。

ワイン法はPDOで、ヴルフンスコ・ヴィーノ(Vrhunsko Vino s Kontrolirano Podrijetlo)が最上級、クワリテテゥノ・ヴィーノ(Kvalitetno vino s Kontrolirano Podrijetlo)が上級ワインである。

 

 

ジョージア

 

国土の8割が山岳地帯。東部は大陸性気候、西部は亜熱帯気候クヴェヴリという大きな壺でワインを熟成させるオレンジワインが有名。

ジョージア最大の産地はカヘティ地方で、原産地呼称(PDO)が15ある。白ぶどうのルカツィテリ(Rkatsteli)が面積最大、黒ぷどうのサペラヴィが2位。

 

 

イギリス

北緯49~61度と高緯度の産地だが、メキシコ湾流の影響で海洋性気候。南部地方の白亜質土壌で育つシャルドネ、ピノ・ノワールから造られるスパークリングワインが有名で、生産量の約66%を占める。瓶内二次発酵で最低9ヶ月瓶内熟成、アルコール度数10%以上。

 

 

ルクセンブルク

 

ルクセンブルクはフランスとドイツ(モーゼル河左岸に位置する)という2大ワイン産地に挟まれ、ベルギーとも国境を接する。故に「フランスの質とドイツの量を兼ね備えた美食の国」と称される。ルクセンブルクにはOPVIと呼ばれる独立したワインメーカーが生産量の30%、ネゴシアンが15%、残りの55%が協同組合のワイン。

ルクセンブルクの一人当たりのワイン消費量はトップ5に入るが、これは税が周辺諸国より低いため、国境を越えて買いに来る消費者がいるためである。

主要品種はリヴァネールが約3割、次いでピノ・ブランが栽培されている。ワイン産地はレーミッヒ(Remich)を境に北部と南部とに分かれる。2015年に新AOPを導入し、最上の畑のワインをリューディット(Lieu-dit)、優良な畑のワインをコトー・ドゥ(Cooteaux de)、調和の取れた日常ワインをコート・ドゥ(Cotes de)と格付けしている。