【第6回テキスト】ロワール地方、プロヴァンス地方、コルシカ島

ロワール地方

【ロワールの特性】

ロワールには全長1000km以上に及ぶフランス最長のロワール河がある。また、いくつもの古城が点在しフランスの庭園とたたえられている。その一つのシノン城はジャンヌ・ダルクがフランス王大使シャルル7世に謁見した場所。

ワインは赤・白・ロゼと多彩なワインを生み出すが白ワインのイメージが強い。

【ロワールの地域と気候】

ロワール河は水源からオルレアン(Orleans)まで北上し、そこから西向きに進み大西洋へと注ぎ込む。ロワール河の周囲には4つの生産地区が存在する。

地区 気候
ペイ・ナンテ地区 海洋性気候
アンジュー・ソーミュール地区 海洋性気候
トゥーレーヌ地区 海洋性・大陸性気候
サントル・ニヴェルネ地区 大陸性気候

ペイ・ナンテ(Pays Nantais)地区

【ペイ・ナンテ地区の概要】

ナント市を中心に、フランスきっての白ワインの一大産地ミュスカデが広がる。

主要品種はミュスカデ=ムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne)。

【ペイ・ナンテ地区の主要AOC】

AOC 生産色 品種
ミュスカデ ミュスカデ
ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ ミュスカデ
ミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワール ミュスカデ
ミュカデ・コート・ド・グランリュー ミュスカデ
グロ・プラン・デュ・ペイナンテ グロ・プラン
フィエフ・ヴァンデアン

赤・白・ロゼ

 
コトー・ダンスニ 赤・白・ロゼ ガメイ、ピノ・グリ
シュル・リーが多く使われている
セーブル・エ・メーヌが面積と生産量が最大
※ グロ・プラン=フォル・ブランシュ

以下のコミューンは、上記のAOC名に続けてコミューン名を名乗ることが許されている。

  • クリッソン(Clisson)
  • ゴルジェ(Gorges)
  • ル・パレ(Le Paleet)

アンジュー&ソーミュール(Anjou-Saumur)地区

【アンジュー&ソーミュール地区の概要】

アンジェ市からソーミュール市まで広がり、多彩なワインを生み出す。テュフォー(Tuffeau)という白亜質の石灰岩の土壌が見られ、主要品種はシュナン・ブランピノー・ド・ラ・ロワール

【アンジュー&ソーミュール地区の主要AOC】

AOC 生産色 品種
アンジュー 赤・白  
ソーミュール 赤・白  
カベルネ・ダンジュー ロゼ(甘)  
ロゼ・ダンジュー ロゼ(甘) グロロー
カベルネ・ド・ソーミュール ロゼ(辛)  
ロゼ・ド・ロワール ロゼ(辛)  
コトー・ド・ソーミュール 白(甘) シュナン・ブラン
コトー・ド・ローバンス 白(甘) シュナン・ブラン
コトー・ド・レイヨン 白(甘) シュナン・ブラン
コトー・ド・レイヨン・ショーム 白(甘) シュナン・ブラン
アンジュー・コトー・ド・ラ・ロワール 白(甘) シュナン・ブラン
カール・ド・ショーム 白(甘) シュナン・ブラン
ボンヌゾー 白(甘) シュナン・ブラン
サヴニエール シュナン・ブラン
サヴニエール・ロッシュ・オー・モワンヌ シュナン・ブラン
サヴニエール・クーレ・ド・セラン シュナン・ブラン
アンジュー・ガメイ  
アンジュー・ヴィラージュ  
ヴィラージュ・ブリサック  
ソーミュール・シャンピニィ  
ソーミュール・ピュイ・ノートル・ダム  
アンジュー  
赤字は4大ロゼ
※ 「コトー」もしくは「ショーム」と付けば甘口の白
※ 「サブニエール」と付けば全て白
※ 「アンジュー + ~」、「ソーミュール + ~」と付けば全て赤
※ 「ショーム」、「サヴニエール」が付くAOCは手摘みが義務

トゥーレーヌ(Touraine)地区

【トゥーレーヌ地区の概要】

トゥール市からオルレアンまで広がり、多彩なワインを生み出す。主要ぶどう品種はシュナン・ブランカベルネ・フラン(ブルトン)

【トゥーレーヌ地区の主要AOC】

AOC 生産色 品種
ブルグイユ 赤・ロゼ  
サン・ニコラ・ド・ブルグイユ 赤・ロゼ カベルネ・フラン
シノン 赤・白・ロゼ  
シュヴェルニィ   ソーヴィニョン・ブラン
ヴァランセ    
ヴーヴレ シュナン・ブラン
モンルイ・シュール・ロワール シュナン・ブラン
クール・シュヴェルニィ ロモランタン
ジャスニエール シュナン・ブラン
※トゥーレーヌ・アゼイルリドー 白・ロゼ  
※トゥーレーヌ・オワズリー  
※トゥーレーヌ・シュウノンソー 赤・白  
※トゥーレーヌ・ガメイ  
※トゥーレーヌ・ノーブル・ジュエ ロゼ(グリ) ピノ・ムニエ
オルレアン・クレイ カベルネ・フラン

トゥーレーヌ~と付けば基本的に赤・白・ロゼだが、上記5つは例外

サントル・ニヴェルネ(Centre Nivernais)地区

【サントル・ニヴェルネ地区の概要】

ロワール河の上流で、フランスの中心部に位置する。土壌は粘土質、石灰質、ケイ酸質のれき岩(シレックス)が有名。また、プイイ・フュメでは小さな牡蠣の化石を含んだテール・ブランシェという土壌も有名。

主要品種は他の地域と違い、白ぶどうはソーヴィニョン・ブラン、シャスラ主体で黒ぶどうはピノ・ノワール主体。

※ プイイ・フュメではソーヴィニョン・ブランをフュメ・ブランと呼ぶ

【サントル・ニヴェルネ地区の概要】

AOC 生産色 品種
プイイ・フュメ ソーヴィニョン・ブラン
プイイ・シュール・ロワール シャスラ
カンシー ソーヴィニョン・ブラン
サンセール 赤・白・ロゼ ピノ・ノワール
メヌトゥー・サロン 赤・白・ロゼ ピノ・ノワール
ルイィ 赤・白・ロゼ ピノ・ノワール
シャトーメイヤン 赤・ロゼ(グリ)  

※ グリは黒ぶどうを使用して白ワインの醸造法で作る薄い色調のロゼワイン

プロヴァンス地方

【プロヴァンスの特性】

地中海沿岸のマルセイユからニースまで広がる。高級リゾート地コート・ダジュールを消費地として抱え、フランス最大のロゼワインの大産地。フランスのロゼワインの42%、世界のロゼワインの6%を占める。有機農法が盛んに行われ、フランスの産地の中で最も生産比率が多い。気候は地中海性気候で、年間平均日照時間は2700~2900時間と恵まれている。ローヌ渓谷から地中海に吹き抜けるミストラルが夏に涼しさをもたらす。

【プロヴァンスの主要品種】

白ぶどう 黒ぶどう
ロール=ヴェルメンティーノ ムールヴェドル
クレレット グルナッシュ
ユニ・ブラン サンソー

【プロヴァンスの主要AOC】

AOC 生産色
コート・ド・プロヴァンス 赤・白・ロゼ
コート・ド・プロヴァンス・ラ・ロンド 赤・白・ロゼ
バンドール 赤・白・ロゼ
カシス 赤・白・ロゼ
パレット(Pallet) 赤・白・ロゼ
ベレ(Bellet) 赤・白・ロゼ
コート・ド・プロヴァンス・サン・ヴィクトール 赤・ロゼ
コート・ド・プロヴァンス・フレジュ 赤・ロゼ
コート・ド・プロヴァンス・ピエールフ 赤・ロゼ
コート・ド・プロヴァンスは面積最大
ラ・ロンドは2016年より白が追加で認定された
※ バンドールの赤はムールヴェドル主体で、18か月以上の木樽熟成義務

コルシカ島

【コルシカ島の特性】

気候は地中海性気候で、コルシカ島(コルス)はニースの南東部180kmに位置する。すぐ南にはイタリアのサルディニア島があり、地理的にはフランスよりイタリアに近い。コルスは山がちな地形なため、島を囲うようにぶどう畑が広がる。アジャクシオはナポレオンの生誕地として有名。スカンドラ自然保護区がある。

【コルシカ島の主要ぶどう品種】

白ぶどう 黒ぶどう
ヴェルメンティーノ スキアカレロ
ユニ・ブラン ニエルキオ

【コルシカ島の主要AOC】

AOC 生産色
パトリモニオ 赤・白・ロゼ
アジャクシオ 赤・白・ロゼ
ミュスカ・デュ・カップ・コルス VDN、白

ミュスカ・デュ・カップ・コルスはコルシカ島で最北端のAOC(最南端はフィガリ