【第22回テキスト】カナダ・チリ・アルゼンチン・南ア

カナダ

カナダのワイン法

1988年にオンタリオ州でブドウ醸造業者資格同盟VQAが導入され、特定栽培地域DVA(Designated Viticultural Areas)が規定される。

エチケット表示 ぶどう比率
収穫年・品種名 85%
原産州・畑名 100%
DVA(オンタリオ州) 85%
GI(ブリティッシュ・コロンビア州) 95%

 

カナダのワイン産地

【オンタリオ州(Ontario)】

北緯41~44度、カナダ南東部に位置するカナダ最大のワイン産地。

1811年にジョン・シラーがオンタリオ州で初めてワイン造りを行った。

白ぶどう 黒ぶどう
リースリング カベルネ・フラン
シャルドネ メルロ

 

DVA 概要
ナイアガラ・ペニンシュラ(Naiagara Peninsula) カナダ最大の産地
レイク・エリー・ノース・ショア(Lake Erie North Shore) 南西端
サウス・アイランド(South Island) 9つの島から成る
プリンス・エドワード・カウンティ(Prince Edward) 東端

 

【ブリティッシュ・コロンビア州(British Columnia)】

北緯49~50度、カナダ最西端に位置する。

DVA 概要
オカナガン・ヴァレー(Okanagan Valley) 州最大の産地
シミルカミーン・ヴァレー(Similkameen Valley)
フレーザー・ヴァレー(Fraser Valley)
バンクーバー・アイランド(Vancouver Island)
ガルフ・アイランズ(Gulf Islands)

※ ~~~ヴァレー、~~~アイランドとあればほぼこの州

 

アイスワイン

ー8℃以下で遅摘みぶどうが樹上で凍った状態の時に収穫し、凍ったまま圧搾して造るデザートタイプの甘口ワイン。

ヴリティッシュ・コロンビア州、オンタリオ州ではヴィティス・ヴィニフェラ種ヴィダル・ブランのみが使用(100%)できる。

ぶどう品種 概要
ヴィダル(Vidal) ユニブラン×セイベル4986
カベルネ・フラン 2位
リースリング 3位

 

 

 

 

チリ

 

チリの概要

南緯27~39度までおよそ1400kmに広がっている細長い地域。気候は典型的な地中海性気候で、沖にはフンボルト海流が流れている。灌漑も有名。

チリは1818年にスペインから独立し、1851年にシルヴェストーレ・オチャガビアが高品質のぶどうを普及した。日本のチリワインの輸入量は1位。これは他の国と比べて1本につき63円の関税が低いことが大きな理由である。

 

チリのワイン法

ワインに関する法的規制は農業保護庁農牧局(SAG)が管理し、原産地呼称はD.O.である。ラベルの表示は75%ルールだが、輸出向けチリワインは85%。

2011年に従来の原産地呼称表記に付記する形で二次的な産地表示が可能となった。これは海側、山側、アンデス山脈側と分ける考え方である。

▶ コスタ(Costa)

海岸に面した畑で、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールといった冷涼地に適した品種が主体になっている。

 

▶ エントレ・コルディリェラス(Entre Cordilleras)

海岸山脈とアンデス山脈の間に位置する平地で、チリワインの60%を占める。

 

▶ アンデス(Andes)

アンデス山脈川の斜面に広がる地帯。ラコと呼ばれる冷涼な風が吹く。

 

主要ぶどう品種

白ぶどう 黒ぶどう
ソーヴィニョン・ブラン(2位) カベルネ・ソーヴィニョン(1位)
シャルドネ メルロ
※1 カルメネール
パイス
シラー
※2 カリニャン

※1 長年メルロと混同されていたが、その後植え分けが進んだ

※2 ヴィーニョ(VIGNO)という組織が品質管理

 

チリのワイン産地

チリの産地はリージョン、サブリージョン、ゾーン、エリアと細分化していく。

【アタカマ(Atacama)】

サブリージョン 概要
コピアポ・ヴァレー(Copiapo) ピスコという蒸留酒を生産
ウアスコヴァレー(Huasco)

 

【コキンボ(Coquinbo)】

サブリージョン 概要
エルキ・ヴァレー(Elqui) 港町ラ・セレナの午前中は霧に覆われる
リマリ・ヴァレー
チョアパ・ヴァレー(Choapa)

 

【アコンカグア(Aconcagua)】

サブリージョン 概要
アコンカグア・ヴァレー
カサブランカ・ヴァレー(Casablanca)
サン・アントニオ・ヴァレー DOレイダ・ヴァレーがある

 

【セントラル・ヴァレー(Central Valley)】

サブリージョン 概要
マイポ・ヴァレー(Maipo) カベルネ・ソーヴィニョンが50%
ラペル・ヴァレー(Rapel) カチャポアル・ヴァレー(北側)

コルチャグア・ヴァレー(南側)

クリコ・ヴァレー(Curico)
マウレ・ヴァレー(Maule) チリ最大の産地。ドゥトゥベン・ヴァレーのカリニャンが有名

 

【サウス(South)】

サブリージョン 概要
イタタ・ヴァレー(Itata)
ビオビオ・ヴァレー(Bio Bio)
マジェコ・ヴァレー

※ クリコ、マウレ、イタタ、ビオビオの非灌漑地で栽培したパイスサンソーに適用される呼称をセカノ・インテリオル(Secano Interior)という。近年ではミゲル・トーレスのスパークリングワインに表示され認知されている。

 

【アウストラル(Austral)】

2011年に新しく認定され、スール(南)よりもさらに南に位置するためアウストラル(南極)と名付けられた。2016年、オソルノよりさらに南に位置するチロエ島にぶどうが植樹され、ここがチリ最南端の畑となる。

サブリージョン 概要
カウティン・ヴァレー
オソルノ・ヴァレー

 

 

アルゼンチン

アルゼンチンの概要

南緯22~42度に位置し、アンデス山脈のアコンカグア山を擁する。気候は大陸性気候、太平洋からの湿った風はチリを超えるとゾンダ(Zonda)風呼ばれる乾燥した風になる。16世紀にチリからぶどう栽培が伝わり、1569年~1589年の間に現在の主要産地のメンドーササンファンにぶどう栽培が伝わった。ぶどう栽培地は平均標高が900mと高い。降雨量が少ないので、アンデス山脈からの雪解け水を灌漑に利用している。

 

アルゼンチンのワイン法

アルゼンチンのワイン法は国立ブドウ栽培醸造研究所(I.N.V.)が統括している。原産地呼称はDOで、メンドーサ州のルハン・デ・クージョ(Lujan de Cuyo)サン・ラファエル(San Rafael)の2地区が認定されている。

 

主要ぶどう品種

白ぶどう 黒ぶどう
ペドロ・ジメネス マルベック(1位)
トロンテス・リオハーノ ボナルダ(2位)
シャルドネ カベルネ・ソーヴィニョン

 

アルゼンチンのワイン産地

アルゼンチンのワイン産地は北部地方、クージョ地方、パタゴニア地方の3つの地方に大別される。

【北部地方】

▶ サルタ州(Salte)

カファジャテが代表的な産地で、標高は3000mを超えて、世界で最も高いぶどう畑とされている。

 

【クージョ地方】

▶ ラ・リオハ州(La Rioja)

パジェスデ・ファティマナという産地ではトロンテス・リオハーノを栽培。

▶ サン・ファン州(San Juan)

ワイン用ぶどう生産量がアルゼンチンで2位。

▶ メンドーサ州(Mendoza)

10大ワイン首都の1つで、2016年に世界最優秀ソムリエコンクールが開催。ワイン用ぶどう生産量がアルゼンチンで1位。DOルハン・デ・クージョではマルベックを中心に栽培。マイプ(Maipu)は標高600~1100mのところにあり、ソーヴィニョン・ブランやカベルネ・ソーヴィニョン、シラーを生産している。ウコ・ヴァレーはトゥヌジャン市からトゥウプンガトまで広がる産地で、メンドーサの地域では最も標高が高い。メンドーサ南部にはDOサン・ラファエルがある。

 

【パタゴニア地方】

▶ リオ・ネグロ州(Rio Negro)

アルト・ヴァジェ・リオ・ネグロなどの産地が有名。最南端の州。

 

 

南アフリカ

南アフリカの概要

東がインド洋、西が大西洋に面し気候は地中海性気候。春から夏にかけて「ケープドクター」と呼ばれる強い乾燥した風が吹き、防虫剤や防カビ材の使用を最小限に抑えられる。ヤンファン・リーベックがケープで最初にワインをつくる。

 

南アフリカのワイン法

1918年にKMW(南アフリカブドウ栽培者協同組合)が発足し、原産地呼称WO(Wine of Origin)が1973年に制定された。ラベル表示は品種、ヴィンテージを表示する場合は85%以上そのぶどうを使用する義務がある。WOの産地名を表示する場合は100%の使用義務となる。

DOはSAWSEAという協会が管理し、この協会はIPW(環境と調和したワイン生産)を制定し、国内の95%以上がこのガイドラインに従っている。

またワインの品質保障およびトレーサビリティを担保するだけでなく、世界で初めてサスナビリティ(持続可能性)を保証するシールを採用している。

 

主要ぶどう品種

白ぶどう 概要
シュナン・ブラン(Chenin Blanc) 1位。別名:スティーン
コロンバール(Colombard) 2位
ソーヴィニョン・ブラン

 

 

黒ぶどう 概要
カベルネ・ソーヴィニョン 3位
シラー
ピノタージュ ピノ・ノワール×サンソー

※ シュナン・ブラン、ピノタージュを使用するケープブレンドも確立

 

南アフリカのワイン産地

西ケープ州が最大の産地生産量の約9割を占める。南極からの冷たいベンゲラ海流の影響を受け、緯度のわりにはずっと冷涼である。

ユネスコ世界自然遺産にも登録された植物自然保護区であり、生産者は自然との調和を考えたワイン造りを行っている。

 

【西ケープ州】

▶ 沿岸地域(Coastal Region)

コースタル・リージョンが栽培面積の約半分を占める。

産地 概要
ステレンボッシュ

(Stellenbosch)

国内最大の産地。カベルネ・ソーヴィニョンが有名。ブティックワイナリーが多い。

茶土のオークリーフ、赤土のトゥクル。

パール(Paarl) 栽培面積
フランシュック(Franschhoek) 瓶内二次発酵のキャップ・クラシック
ダーリン(Darling) ソーヴィニョン・ブラン
スワート・ランド(Swartland) 黒い大地の意味で、州最大の「地区」
ティル・バッハ(Tulbach)
ウェリントン(Wellington)
ケープ・タウン(Cape Town) ケープ・ペニンシュラ地区と旧タイガーバーグ地区が2017年に合併された。

小地区のコンスタンシアでは甘口ワイン。

小地区のダーヴァンビルも有名。

 

▶ ブレード・リヴァー・ヴァレー

産地 概要
ブレードクルーフ(Breedekloof)
ロバートソン(Robertson) コロンバールが多い。シャルドネが高品質。
ウスター(Worcester) KWVのブランデー蒸留所がある

 

▶ ケープ・サウス・コースト

産地 概要
エルギン(Elgin) アップルタイザーの本社がある
ウォーカー・ベイ(Walker Bay)
ケープ・アギュラス(Agullas) アフリカ最南端